DoubleCAD XT

TurboCADの開発元として知られている IMSIが新しくリリースしたCAD。TruboCADの後継?IMSIにおける製品ライナップ&戦略は不明ですが… AutoCAD LTのリプレースを目標にしており、下位バージョンは、なんと、無償!です。

DoubleCAD™ XT is an AutoCAD LT work-alike. But free.
http://www.doublecad.com/

下位バージョンは、APIによる機能追加(アドオンソフトの開発)はできないようですが… 上位バージョンは、それが可能で、DRXホストアプリケーションになるのかも? DRXによるアプリケーション開発は、今後のCADカスタマイズビジネスにおいては、不可欠となることが予想され… そのホストアプリケーション(実行環境)に様々な選択肢ができるということは、開発者としては歓迎すべき事でしょう!

それにしても「無償」というのは、とにかく市場を取れ!? という形振り構わない戦略… (汗)

下位バージョンを試してみましたが、CADとしては十分すぎるほど機能てんこ盛り!でした。いよいよ 2D-CADは、ベース(プラットホーム)の販売だけでは稼げない… という時代に突入しそうです。自社で頑張って開発しても、それを上回るものが無償で配られてしまう… というのが、もはや現実。 生き残るには、「これだけは、うちにしか出来ない!」という何か得意なことを持つ必要があるでしょう。

DoubleCADは、エンジンとしてDWGdirectを使っていますので、いずれ出てくるであろう ITC IntelliCAD7 の性能(Perfomance)と品質(Stability)を 予測するには良いかもしれません。 性能&品質面において、これを上回ることは無い…と想定しておけば間違いないはず(= 過大な期待は禁物)。

DoubleCADは、さまざまな新しい機能が追加されており、機能面(Function)では素晴らしいと思いますが、AutoCADとの親和性(図面再現性など)は、IntelliCADファミリーのほうが上かな?という印象でした。

以下、DoubleCADについて、気になったこと…

  • ビッグフォント(.SHX)使った図面は無理っぽい> TTFに置換すれば、図面中の日本語を表示することはできますが… 文字スタイルの設定でフォントを1つしか選択できないので、SHXを使う場合、日本語用フォント(Bigfont)を設定できません。少し残念な仕様です。
  • 海外製CAD全般に言えますが… 寸法図形が弱い。 これと比較しますと、IntelliCADにおけるAutoCAD図面の再現性は素晴らしいと思えます (なので、IntelliCADの「もうちょっと」な部分を残念に思う)。

 DoubleCADは、設計製図CADとしての機能は申し分ないのですが… 日本人のこだわり(文字&寸法)の部分の弱さから、国内のAutoCAD利用者に受け入れられるのは、ちょっと難しいかな… と思いました。

ただ… Google SketchUpとの親和性など、AutoCADには無い新しい機能も多数取り入れており、もし、これが日本語になれば… 建設業における、アンチAutoCAD派(でもDWGは使いたい)には、相当にウケるかもしれない…

なんたって、無料ですから… ですが、日本語翻訳コストをどうする?を考えると、日本語版の登場は…どうだろ?

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コメント / トラックバック1件

  1. [...] DoubleCADについては、こちらの記事、無償版 (XT) と 有償版 (XT Pro) があります。 [...]

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