Redway

Open Design Alliance (ODA) が、Redway3d との技術提携をアナウンスしました。http://www.opendesign.com/node/400

CAD / ゲーム等、描画を伴うアプリケーションを開発しようとした場合、その描画性能が非常に重要なファクターとなります。Redway3d は、そのような描画プリケーション向けに、グラフィックスアクセラレーション技術を提供している会社です。

通常、Windowsアプリケーションは、抽象化されたグラフィックデバイス(GDI)に対して描画を行うことによって、画面やプリンタなどの多様なデバイスに対応していますが、 3Dモデル等をより高速に描画したい場合は、ハードウェアの機能をより活用できるDirectX、またはOpenGLが使われます。

DirectX, OpenGL が、無償で使えるライブラリであるのに対して、Redway3dは有償のライブラリとなります。アプリケーションメーカーがこの類の有償ライブラリを使用する場合、初回費用 (+年会費) に加え、実装した製品に対してロイヤリティ(配布ライセンス費用)が必要になります。 通常、これらの費用は製品を販売することで回収(販売価格に反映)されるため、フリーソフトの類では使われることはありません。

Redway3d と、同様な有償ライブラリとしては、HOOPS が有名ですが、HOOPSの採用には、年会費+ロイヤリティが必要なのに対して、後発のRedway3dは、「ロイヤリティフリー(配布ライセンス費用-不要)」… 定額の年会費のみ支払えば何本販売しても良い… という戦略が評価され、シェアを伸ばしています。

かつて、ODAライブラリは、DWG/DXFを読み書きすることに特化したライブラリでしたが、DWGdirectは、DWG/DXFを読み書きする描画アプリケーションを開発するための 「CADエンジン」となりました。DWGdirectは、DWG/DXFファイルを読み込み画面に表示する機能を提供していますので、簡単な DWG/DXF ビューアーであれば、ほんの数行のプログラムを書くだけでできてしまいます。

drxapi

DWGdirectは、アプリケーションが図形を描画する際にどのデバイスを使用するか?をアプリケーション側で選択できる仕組みがあり、標準的なデバイスとして、GDI, DrectX, OpenGL 用のドライバ(.gs ファイル) が付属しておりましたが、その描画性能はあまり良くありませんでした。

従来は、アプリケーションメーカーが個別に HOOPSなどを採用して、それぞれが独自に組み込みを行っておりましたが、ODAがDWGdirectドライバ(.gs)として提供することによって、アプリケーションメーカーは、組み込みの手間を省略できるようになります。

先日、アナウンスされた HOOPS に加え、今回の提携によって、近い将来 Redway3dドライバーがODAより提供されるはずで、これによって、特別な知識が無くても、高速な描画性能をもったアプリケーションの開発が可能になることが期待できます。

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